【読了】『細井平洲の人間学』
2022.09.19
名君として名高い上杉鷹山ですが、その師匠細井平洲のお話です。
上杉鷹山は米沢藩の藩主になってつぶれかけている藩政を立て直したことで有名ですが、その基礎になっているのがこの細井平洲の教え。
もうね、一言で言うと、「人間学」。
人格磨き。徳を磨く。原則主義。という言葉が読みながら頭をめぐりました。
人に優劣をつけない。皆対等。言行一致。率先垂範。
人間としての原則論を実際の藩の政治に持ち込んで実践するわけですが、そりゃあ、身分社会が長い江戸時代の話。一筋縄ではいきません。
でも、その時その時で上杉は心を痛めながら、原則に都度立ち返り選択をする。
おもしろいのはその報告が師匠の細井に届くと、必ず承認のメッセージが届く。
それでかなり救われているし、前にすすむ力にもなっていたと感じます。承認って大事。
細井は米沢藩だけでなく、色々な藩の先生になって講義をしています。
ケネディですら、上杉鷹山に関心を示していた。
細井の教え、上杉の教えのベースにあるのは、
『治者は民の父母でなければならない』という言葉。
つまり、暖かく見守り、時には厳しさも必要だけど、愛がベース。節制を強いるのであればまず父母から。そして人づくりを最優先事項にし、それこそが次の未来を創ると信じて実践する。
企業経営と全く一緒。
中々できないですが、立ち返るコンパスであると感じました。
この本はたまたま父親が送ってきたのですが、ナイスオトン!