ご存知元伊藤忠社長、会長丹羽さんの本。

社長の話ではありますが、課長や部長が読んだ方が良いと思います。

内容は完全に「人としてのあり方」について。

テクニック論はありません。

結局は人格が大事だし、窮地になった時は、道徳という「原則」に沿って判断するしかない。

短期的な視点ではなく、信頼を積み重ねて経営していく。

これは社長に限らず、課長や部長も全く一緒。

「清く正しく美しく」を行動指針として経営されていました。

理想論とかきれいごとという人も少なくなかったと思います。

でも、人としての道を外さないためにも、これを標榜し、守ろうという姿勢を見せ続けることは大事だったのだろうと思います。

丹羽さんが社長をされていたのはもうだいぶ前ですが、経営の原則論はそう変わっていません。

それは、そもそも原則という普遍的なものが大事だから、という証だと思います。

 

強いものは弱い者の立場に立て。

社員の中には強い人も弱い人もいる。けど、弱い人もその人の全開を出せる仕事をさせることが大事だし、それがチームとしての力をアップさせる。ダイバーシティという言葉で今は語られていますが、強い弱いという表現は別として、様々な立場の人が活躍できることが組織は前提です。

 

そして、利益を目的にしてはいけない。利益はあくまで事業の結果でしかなく、事業の目的を果たすことが組織経営だという話。

そもそもガバナンスが聞いていない大企業が不祥事を起こしている。

それは行き過ぎた成果主義だったり、利益至上主義だったりすることで「ごまかす」ことで難を逃れようとするから。

不正会計や不良検査など、「利益のために」やったケースがほとんど。

 

丹羽さんは社長時代もその前も自身のあり方を大切にしてこられました。

贅沢をしない。市民目線を持ち続ける。原則を大事にする。

 

全ては自信の人格を保つための事だったのだと感じました。

 

と書くとなんか道徳的な内容なのかと思うかもしれませんが、丹羽さんの経営の歴史が赤裸々に描かれていて、普通の会社の読み物としても面白いです。

 

おススメ。