読んでいて耳が痛くなる本。
一応私も業務改善は大好きな方だったし、結構前向きに失敗を捉え、次によくする機会だと思ってきました。また、「ミスをした人を責めるのではなく、ミスをさせたシステムを責める」というポリシーの元、会社員時代業務を変えてきた自負はあります。
でもね。
航空会社ってそれが本当に徹底している。
ミスをした人を絶対に攻めない。
そして徹底的に原因を究明して、全世界中の空港会社に共有し、同じミスが繰り返されないように、失敗を活かしているそうだ。
そんなことは全く知らなかったので、恐ろしく感動したし、だからこそ、あんな思い鉄の塊が空に浮いても事故を起こさないわけだよね、と。
車の運転なんて、完全に属人的だから事故が繰り返される。
勿論飛行機を飛ばす以上、絶対にミスが許されないというプレッシャーは半端ないと思う。
でも、これって普通の組織でも活用できる考え方。
だけど、活用されていない。
というのは、ミスをした人を責める方が楽ちんだから。
そして体裁がいいと思い込んでいるから。
「再発防止に努めます」とか言って、誰かに責任を取らせる。
そしてそのミスは風化していき、同じことが繰り返される。
これを読んでいて改めて人間は楽な方に行ってしまう生物なんだと再認識しました。
だって、失敗の原因究明はしんどいし、向き合うのも大変。
でも、それをしないとなくならない。
そのためには組織風土から変えていかないと無理でもある。
失敗をオープンにすることを歓迎し、絶対に当事者を責めない。「共有してくれてありがとう」という風土を本気で作らないとなくならないと思う。
そう考えると、日本は難しいかもね、とも思います。
だって、個人が責任取るの、昔からすきだから。
まずできることはフィードバックを受け入れる風土を作る事。
言ってくれてありがとう。
気付かせてくれてありがとう。
勿論伝える方も、攻めるのではなく、気づかせるために事実を伝える。
そんな日常のやり取りから風土は変わるものだと思う。