チームで中々成果が出ていない会社は少なくありません。
私も講師として、人事部の支援者としてそのような会社と出会うことが多いのですが、その多くは「人の問題」が原因だったりします。
つまり、人が育っていない。
人材育成は組織にとって最重要ミッションです。
でも、それを後回しにしてしまうトップは少なくありません。
でも、現場現場で出来ること。
会社が研修とか企画してくれなくても、現場現場で人を育てればいいのです。
もっと言えば、研修よりOJTの方がよっぽど大事だと私は思っています。
そのOJTの中で絶対に必要なのが本書のメインテーマである「質問」です。
これは部下一人一人を育成するためにも必要ですし、効果的にPDCAを回し続けるためにも必要です。
PDCAを回すだけならもしかしたら上司がゴリゴリと部下をコントロールすればよいかもしれません。
でも、強い組織は「結果を出し続ける組織」です。
つまり、PDCAを「回し続けて」、修正「し続けて」、変化「し続けて」やっと結果は「出続ける」のです。
そのためには部下が自分で考えて行動できるように育てないといけません。
そのキーとなるのが「質問」です。
著者の荻野さんは私にとっては師匠のような存在の方です。
でも、私と同じように部下育成で壁にぶつかっていたのは意外でした。
私も同じように一時期指示しまくって部下が思考停止に陥っている、そんな壁にぶつかっていました。
それを打破したのも「質問」です。
質問は本当に少ない手間で大きな効果が見られます。
育成のマストアイテムと言っても良いです。
部下育成にお悩みの方は是非。
どちらにしても自分が変わらないと周りは変わらないのです。
まずは、言われた通りやってみる。
これが素早く結果を出す秘訣です。
先日GW中に娘とパラグライダー体験をしてきました。
最初は斜面で操作方法を教えてもらい軽く浮遊体験をするのですが、その前にコーチからのレッスンがありました。
その説明のなかで、「とにかく最後まで走り抜ける」とコーチが強調されていたのですが、私はいざやってみるとつい走り抜けながらジャンプしてしまい、それが原因で何度も失敗しました。
それに対してうちの娘はコーチの教えを忠実に守った結果、誰よりも上手に飛び着地するではありませんか?
もっと言えばパラシュートの畳み方もきちんと聞いていて、他の大人に教えていました。
「守破離」という言葉をご存知の方も多いと思います。
武道や華道、茶道などの「道」を究めるにはまず、
「守(師匠の教えを守り師匠と同じくらいの結果を出す)」。
「破(同じようにできるようになったら少しだけアレンジしてみる)」
「離(師匠の教えを離れ自分の道を作る)」
という流れがあり、これらの順番飛ばしはない、ということです。
私がまずかったのは素人考えで「飛んだ方がもっといいのでは?」と思ってしまいふわっとした時に「今だ」とばかりにジャンプし、失敗しているのです。
良くどんな新人がいいですか?とトップの方に聴くと大体の方が「素直な人がいい」といいます。
素直とは何か?
まず「守」ができる人だと思います。
そもそも仕事経験がないのでいきなり新しい風なんて吹かせることはできません。
素直ってこういうことなんだと思います。
私は研修講師がメインの仕事ですが、人事関連全般の支援もしています。
人事部応援団、みたい。
採用や教育、評価制度設計など、人材開発に関することは何でも一緒に汗をかきながらお手伝いしています。
新卒採用のシーズンになると、現場の管理職の方からよく聞くのが「素直な子がいいよね」という言葉。
勿論私の前職でもいやっちゅーほど聞きました。(別に嫌ではない)
じゃあ、素直ってなんでしょうね?と聞くと結構答えはバラバラだったりします。
本日3日間の新人研修の初日だったのですが、本日の参加者(新人)はまさに「素直な子達」でした。
新人ですからできないことも分かっていないこともたくさんあります。
その都度私に指摘をされるのです。小姑みたいに。
でもね。彼らの素晴らしいのは指摘をきちんとメモを取り、そして必ず修正してくるのです。
挨拶の声。返事の声。椅子をきちんと戻す。言葉遣い。時間管理。
一日中私は笑顔で指摘をしていましたがきちんと応えてくれる。
うーーん。ほんまに素直ないい子達やな~。と思っていました。それで上述の素直な子がいいよね、というセリフも思い出しました。
でもね。じゃあ、素直な子が入ってくれたらその子は伸びるのか?活躍するのか?といわれると答えは、No、です。
本日私は彼らに沢山のフィードバックをしました。
そして彼らの行動をそのまま観察し、変化があれば変化があったこともフィードバックしています。
勿論変わっていなくてイマイチなら「イマイチだよね」とフィードバックを重ねていきます。
何が言いたいかというと、素直な子、という新人の素質に頼ったらだめですよ、ということ。
素直に変化しようとしている子達だからこそ、後追いをしてフィードバックを重ねないといけない。
そもそも、先に私がフィードバックをしているから、変化があるのです。
つまり、指摘を「Give」しないとだめですよ、ということです。上司や先輩が。
じゃないとやってもやらんでもいっしょやん、となって腐っていくわけです。
フィードバックは英訳すると「Feedback」です。Feedは直訳するとえさを与える。
つまり、何かを与えることで変化がBackされる。ということ。
ここ、大事なところです。
まず、Give、しましょうね、ということです。
褒めたり注意をGiveしないと変化はありません。
素直さ、という資質に頼るのは他責なのです。
そもそも仕事ってGiveから始まりますよね?
結局育成も原則通り、ということです。
おはようございます。clear kyotoの森川です。
先般、人材育成には「計画性」が大事ですとお伝えしました。(以下リンク参照)https://clearkyoto.com/blog01/jinzaikaihatsu/149/
私たちビジネスパーソンは様々な物事を「経験」することで、できないことができるようになっていきます。
だからこそ会社や上司、先輩がしないといけないことは、新人や部下に、「どんな経験をさせるのか?」をデザインすることです。
設計図を創ろうね、ということ。これがいわゆる「育成計画」です。
具体的には、何を、いつまでに、どんな状態まで、できるようにするのか?を考える。
でも、まずは「何を」を考えると良いでしょう。
その職種に必要な業務スキルは何なのか?を棚卸をする。なるべく細かく、です。
例えば、
新規営業を6月30日までに一人でできるようになる。
という目標であれば、
・顧客リストからターゲット先を選定する。
・顧客リストをアップデートする。
・営業電話をかける。
・アポをとる。
・必要な資料をそろえる。
・スケジュールを組み訪問する。
ざっくりと、こんなステップがあると思います。
そのステップそれぞれが「何を」に当たります。
業務マニュアルがある会社さんの場合はそれを参考にするとプロセス分けは比較的簡単です。
ざっくりとではなく、分けること。
育成でも仕事でも大切ですね。
「商売は分ければ分かる」