【読了】『組織不正はいつも正しい』
2024.12.01
タイトルにもある「正しい」が組織不正の雪崩を引き起こすきっかけである。
というキーメッセージがそのままタイトルになっていて、気になったので読んでました。
組織不正は大きいものも小さいものもありますが、いろいろな経緯でそれが発生します。
私もリスクマネジメントやコンプライアンスの研修をしていますが、原則的に本人の意思だけで不正や不祥事が起きるわけではありません。
本人の意思に加え、「あ、できそう」という機会みたいなものが掛け合わさると、何かやってしまう。と言われているし、私が過去に立ち会った不祥事はまさにそsのパターンでした。
ただ、本書ではその「意志」がそもそもどうやって生まれるのか?について言及しています。
勿論本人の事情で起きるものもあります。
ただ、組織不正というかなり大規模な不祥事に関しては本人の「やってやろう」みたいなものはあまりない。
そこでカギを握っているのがタイトルにもある「正しさ」なんです。
ここでいう正しさは道徳的な正しさ、ではありません。
組織の中での正しさ。
目標を達成しなければならない。
利益を出さなければならない。
納期に間に合わせなければならない。
組織の対面を保たなければならない。
その正しさを担保するために人が動き、組織的な動きになり、雪崩のように組織不正が行われる。という話。
冤罪事件とかも警察や公安の体面を保つために拷問が行われたり、自白が捏造されたりしている。
勿論そんなことが起きないように様々な組織では企業倫理を周知しようと取り組んでいるのも事実。特に大企業。
NTTさんの倫理憲章などは本当に素敵です。
でも、一方で倫理教育をすると、逆にの力が生まれる、という研究もなされているのが面白い。
つまり、なかなかゼロになるものではない、ということです。
だって、仕事は人間が行うものだから、ですね。
だからこそ取り組み続け、アップデートし続ける、ということが重要なのだと思いました。