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評価制度の使い方 その1_419

2024.04.02

『課長と組織を変える研修コーチ』
clear kyotoの森川です。

ここ最近お客様先に人事制度を設計して納品したり、評価者研修をしたりする機会が増えたので、改めて評価制度と人材育成について感じた事を共有します。
人事の方は勿論、経営者の方や管理職の方。部下として働いている方にとっても大事な事です。

「評価制度が機能していない」
というご相談は少なくありません。
その原因を分けてみると大きく3つ。
1.制度そのものの問題
2.運用方法の問題
3.日々のマネジメントの問題
です。
全部扱うと長文になるので、珍しく3回シリーズでお届けします。
本日は、1.制度そのものの問題、についてです。

評価制度によって何を評価するのか?それによって当然手段は変化します。
大まかに言うと、業績を評価する業績評価と仕事中に発揮している行動を評価する行動評価。昔は能力評価とも言っていましたし横文字で言うと、コンピテンシー評価とも言います。
ただし、業績評価はあくまで業績を評価するので、残念ながら人材育成には直結しないな、と感じています。
正直運不運もあるし、まぐれ当たりもあったりする。それらをひっくるめて業績だけを評価するので、要するに結果しか見ていないんです。
会社の言い分としては「ちゃんと結果を評価するから自分で責任もって結果を出しなさい」とたきつけているわけです。
結果を評価することに私は異論ありませんし、それも頑張りを評価しているとは思っています。
でも、「自分で結果だせ」では人は育ちません。だって、その結果を支えているのは行動であり、行動を支えているのは知識や考え方であり、それを支えているのは人格だからです。
一番末端の結果を評価しても育成することはできない。
考え方や人格を育てていかないと「継続的に良い結果を出し続けることができる社員」にはなりません。
また、結果さえ出していれば良い、という風潮が会社の中に蔓延してしまいます。
それによって協力するマインドは育ちませんし、逆に色々な要因で結果が出なかった社員は「もういいわ」となってしまい最低限の仕事すらしなくなってしまいます。
こういった理由から業績評価で人を育てるのは難しいのです。

行動評価とはそのままの意味で社員の仕事中に発揮された行動を評価すること。
行動を支えているのは考え方やマインド、人格でもありますので、人材育成につなげやすいです。
大事なことは、「良い仕事をするための必要な行動とは何か?」を言語化し、されに「自分の部署の仕事なら、こんな場面でこういう行動をすることだよね」と具体的なシーンと行動を言語化することです。
これによって社員は、どんな行動が期待されているのか?をはっきりと認識することができます。
そして上司はその評価項目にそって日々フィードバックをし部下の行動や考え方、マインドを育てていく。
なので、日々の仕事の中にも落とし込みやすいし、育成にもつなげやすいです。

ただ、その行動評価も上手くいっていない会社さんも見られます。
運用方法に問題があるケースも多いのですが、本日は敢えて制度そのものの問題を扱います。
その原因も大きく3つ。
1.評価項目が多すぎる
2.規則みたいな評価項目になっている
3.良い仕事に繋がる評価項目になっていない

まず評価項目多すぎの件。私の感覚だとMAXでも7項目です。
というのも見切れないからです。上司が。でも、下手をすると30項目くらい細分化して並べている会社さんもあります。
こうなると上司はただのチェックマンになるし、それでも見切れないから結局、点数をつけて終わる。つまり、点数つけることが目的になってしまい、その先の育成に繋がらないのです。
規則みたいな評価項目とは、例えば「〇〇の時はこうしなければいけない」みたいな感じ。そして減点法みたいな表現になっている。育成につなげるためには前向きな気持ちにならないといけないし、評価項目って期待値なんです。
それを「〇〇しなければならない」みたいな言い方だと前向きな気持ちで仕事に取り組めなくなります。
3.は一番重要です。
良い仕事をしてお客様や周りに喜んでもらう。これが仕事の本質です。
そのためにどんな行動をすると良い仕事につながるのか?に繋がる評価項目でないといけません。

人事評価って人材育成の為なんです。
言い方を変えると1年なり半年間の社員の仕事を振り返り、良い仕事、良い行動がどれくらいできたのか?なにを伸ばしたらいいのか?何を変化させたらいいのか?を上司と部下が一緒に考える事なのです。

制度を考えるのは会社であり人事です。
でも、それを使う評価者、被評価者の人もその意味をしっかりと理解していないと、「会社にやらされているつまらない仕事」みたいになってしまいます。

さて、次回は、運用方法の問題、です。お楽しみに~。「んがんんっっ(昔のサザエさん風)」

★★★志宣言!★★★
「働く人の”こう生きたい”を応援する」当社の事業理念です。
働く人1人1人がワークもライフも納得感の高い人生を送ること。
そんなキラキラした大人を増やすことで、子供たちの未来を明るく照らすこと。そんな世界を創りたい。
そのためには、人と組織の可能性を最大化する応援団であること。これが私の「志」です。

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■clear kyoto合同会社 代表 森川 宗貴(もりかわ むねたか)
■ACC(国際コーチング連盟認定コーチ)
■キャリアコンサルタント(国家資格)
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