Know-How ノウハウ

効果的な対話とは_057

2020.11.03

課長と組織が変化する研修講師、clear kyotoの森川です。

日曜日は某組織の採用支援の仕事でした。
ここでは面接官として面接しながら、面接の進め方を担当者の方に学んでいただき、いずれ私なしで出来るようになってもらう。そんな仕事です。

ただ、時間の制約条件が結構きつく、結果グループ面接になってしまっているので、応募者一人に使える時間が短い。その中で採否を決めるのは中々難しい。
なので、こちらではグループ面接の後にグループディスカッションもしてもらい、最終的にその両方ですり合わせ会議を行い採否を決めています。

日曜日に改めて思ったこと。それは「対話の重要性」でした。
前述のとおりグループ面接なので、限られた時間で得られる情報量には限りがあります。
そしてこれ、応募者にとっても一緒なんです。
こちらの熱意や期待している事などを応募者もキャッチすることができない。
つまり相互理解の場になっていない、と言うことです。

そうなると何が起きるのか?

「よくわからないからやめておこう」となるんですね。これ、双方。
組織側も応募者側も。
ミスマッチになっているかどうかはこれまだ分かりません。
でも、組織側からすると確信をもって採用できない。
応募者側からすると自信をもって「ここに行きたい」と言えない。
組織側の想いや期待も伝わらないから、動機づけもできない。
と言うことです。
(なお、こちらの組織はこのことは百も承知ですが、時間の制約条件を会場できないため、今はやむなくこうなっています。ちなみに、採用活動のコミュニケーション設計については色々とありますが、それは次の機会に。)

そしてこれ、採用面接に限らず、上司部下の間でも普段から起きていませんか?ということ。
つまり、お互いを理解する場がありますか?

「わかっているはず」、というのは分かっているうちには入りません。
「仕事さえちゃんとやってくれていればいい」という人もいますが、その「ちゃんと」ってお互い理解できていますか?
それがないからお互いストレスが溜まっているのではないでしょうか?

同じ職場の人間といえど、赤の他人。
価値観が同じなんてことはないし、共通認識を持ち続けているなんてこともまずない。
だって、人間は感情で動く生き物だから、正論の前に感情が入ってきて、どう感じるかも変わるからです。

だから、「どう思う?」という確認の時間がないとまずいわけです。

最近はやりの1ON1。上司と部下が1対1で定期的に対話の時間を持つこと、です。
この効果について私は疑念があるわけではありませんし、むしろおススメです。
でも、効果的に行わないとこれも逆効果。

振り返りの場と言うと聞こえは良いのですが、振り返りと称して上司が詰める場になってませんか?
「今日どうだった。うんうん。え、それもできてへんの?なんで?何があったの?何故出来てないの?何故・・・?」
はい。何故が繰り返されるとただ詰めているだけになり、部下は思考停止します。
私の昔の上司は毎晩電話をしてくれてレビューしてくれるのですが、毎晩こんな風に詰められるので、辛さ以外何物でもありませんでした。(しかも当時の私はレビューの目的もちゃんと理解していなかったので、なおさら)

理由を聞くのが悪いわけではありません。
でも、相手が話やすいように聞かないといけない。
例えば、「そっか、それできなかったんだ。何が原因だったと思う?(ここで相手に考えさせる「間」をきちんと持つ)」
など。

1ON1の時、しゃべるボリュームは部下:上司=7:3くらいです。
部下にしゃべらせて部下自身に振り返りをさせ、部下自身が次のアクションを自分で選択する。
勿論それについて上司の意見も伝える。

でも、しゃべるメインは部下です。

コミュニケーションをとる=しゃべらなきゃ。
と思っている方は少なくありませんが、そうではありません。
コミュニケーションをとる=話をとにかく聴くこと、です。

相互理解ですからお互いの想いを理解する。
でも、まずは「聴く」から始めないと相手にこっちの想いは理解してもらえません。

だって、信頼関係の原則は

「理解してから理解される」

だからです。

でも、こういった場が定期的に持たれていると関係性が向上し、働きやすい職場環境となっていくのです。

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森川 宗貴(もりかわ むねたか)
clear kyoto合同会社 代表
(社)日本スケジューリング協会 専務理事
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