【読了】『苦しかったときの話をしようか』
2019.12.29
キャリアの本ではありますが、はっきり言って感動します。
マーケッターである森岡氏が進路で悩むお嬢様のために書き下ろした本書。
そもそも親子の対話が上手くいかなくて、その反省からスタートしている。
書かれている内容が完全に森岡氏の経験から紡ぎだされているから、生々しくてかつ納得感が高い。
就職、という進路を決める際にマーケティングの要素が多分に入っているけど、違和感なく理解できる。
勿論過去の経験に後から意味づけて書かれているが、その時何を考え選択したのか?ということが分かりやすいし共感が持てる内容。
大学生が就職活動をする時、勢いだけで決めてしまう人も多い。
働いた経験がないから考えても仕方がない、とも思いがちだけど、まずは、何が分かっていて何が分からないのか?その境界線を分かることが大事と冒頭から書かれている。分からない不安を放置せず向き合ってみよう。そうすると何が分からないのかが分かり、何を分からなければいけないのか?に思考が向く。
また、就職活動で何をどのように誰に向けて伝えるか。の手法が書かれているが、完全にマーケティングのアプローチ。合理的だけど、そんな思考を教えている大学は少なそうだな、とも思う。
森岡氏が熾烈な仕事環境の中で結果を出し続けてこれたのは、本書で一貫して言われている、「強みにフォーカス」すること。
その強みを今の仕事でどうフルに活かすのか?徹底的に考え行動すること。
P&G時代のアメリカでの不遇から抜け出したエピソードとかは笑えるし興味深い。
基本精神論になっていないので、物語としても読みごたえがある。
キャリア支援をされている方にもお勧めしたい本書。
そして随所に、娘さんへの愛情があふれているので、泣けてきます。
あとがきとか感涙もの。
丁度この本を読み終わったタイミングで私の娘が部屋に入ってきた。
昨晩まで2泊3日でスキーキャンプに行っていた彼女と話をするのは久しぶり。
マラソン大会の練習しようとのお誘い。断るわけがない。
家族のために仕事をしているという感覚は残念ながら私にはない。
でも、娘のためにワークもライフも楽しんでいる父親像を見せつけたいとは思っている。
そう思わせてくれたのは娘が生まれてきてくれたから。
やっぱり、「生まれてきてくれてありがとう」なんやな・・・。