【読了】『天才を殺す凡人』
2019.10.22
組織の中にはざっくりと3タイプの人間がいる。
天才、秀才、凡人。
そう書くとなんか凡人がとても凡庸に見えてくるが、組織の中では重要な役割を果たす人なのだと本書を読みながら感じる。
いや、性格にはその強みを活かしている人と活かせていない人がいる。(大半はできていない)
この3人は物事を考える軸が違うからコミュニケーションがかみ合わない。
天才は「創造」。秀才は「法律や科学」。凡人は「共感」。
天才が殺されてしまうのは、創造を分かりやすく説明できないから。
法律や科学は根拠を伝えやすい。
共感は多数決。つまり「みんながそう言っているから」と理由で周りを納得させることができる。
大事なことは事業のフェーズに合わせてどの部分を伸ばすことが必要なのかを考えることでもあり、また、お互いのコミュニケーションのずれを翻訳する役割だったり、突破していく力だったり。
という話がある会社を舞台に繰り広げられていえるのが本書。
私が以前いた会社は社長が秀才タイプだったけど、それに周りがついていけなかった。
共感を集める人が多数決で実質の支配をしているような感じ。
今思うと、彼の言葉を分かりやすく翻訳して共感してもらいやすくする役割が必要だったのだろうけど、彼の周りも秀才もどきばかりだったから、結局は支持を得られずに失墜。私自身も力不足だった。
別にどのタイプがいいとかではない。
でも、個人として社会で生きていくには自分のタイプを知ること。相手のタイプを知ること。
そして自分の武器を手に入れること。
いかなる才能も武器なしには発揮されない。
そして事業のフェーズに合わせて何を発揮させるのかを選択できれば一番だと思う。
大丈夫。
3つのタイプは全員が間違いなくすべて持っている。
表にでている部分が違うだけ。
そしてこれらはDNAでも先天的なものでもないから、磨き強くすることもできる。
私自身は頭でっかちな秀才タイプだったが、この10年で大分共感が多く混ざっている。
これは、それが必要だったしトレーニングをしてきたから。
自分はどのタイプ?
武器は何?
そこから職業選択も始まるし、役割認識も始まるのだと思う。