【読了】『型破りのコーチング』
2019.10.16
故平尾さんと金井先生の対談本。
テーマはコーチング。
平尾さんの実体験を基に金井先生が科学的な視点で解説を加えていくようなスタイルなのですが、とにかく平尾さんの言葉の使い方が秀逸。
すごく分かりやすい。
これは監督やキャプテンなどを務める中でいかに「伝わるか」にこだわってきたかが伝わってきます。
中身はとてもためになることばかりなのですが、平尾さんのキーワードは「意味を伝える、理解させる」ということと、「相手の受信機を高めるには教える側の受信機次第」という言葉。
まず「意味」についてですが、何故これをするのか?の意味を理解させないとその練習自体が無意味になる。納得感もないし、真面目にやろうともしなくなる。
反復練習でも筋トレでも、何故それをするのか?そのトレーニングをすることで何を狙っているのか?
ルーチンでも伝えることで本人の取り組み姿勢は変わる。
そして受信機の話。
コミュニケーションは伝える側と受け取る側の2手に分かれる。
勿論伝える側の「伝え方」も大事。
でも、受け手の「受け止め方」も大事だよね、と言う話。
でも、受け止め側の受信機の性能を上げるには、まず発信する側の関りが必要。
つまり「先に聴く」こと。
人間関係と一緒ですが、一方的に伝えるのではなく、まず相手の気持ちを聞いてみて安心感を作り、受信する準備をさせる、ということ。
平尾さんはいつも自分にベクトルを向けているのです。
伝わらなかったのもこっちのせい。
平尾さんの実体験から紡ぎだされる言葉は本当にキラキラしているし、すっと入ってくる。
平尾さんは謙虚で努力家。そして本当に誠実。
目標のために、チームのためにひたすら努力をし続けた人だからこその言葉の輝き。
それに金井先生が意味をさらにつけてくれているのですが、もう、平尾さんの言葉だけで涙が出そうになります。
ちょっと昔の本ですが、とてもおススメです。
チームマネジメントに困っている人は是非。
平尾さんだからできたことではなくて、当たり前のことが「分かりやすく」書かれています。