【読了】起業家のように企業で働く
2023.12.31
現代社会において働く私たちが自分自身のキャリアをどう創っていくのか?のヒント、というか、原則論に近い本書。でも、とても分かりやすいし個人的には納得感が非常に高い。
おそらくそれは稚拙ながら私自身が社会人として起業で働く中で、働く事の意味づけが変化し、行動してきたことと重なる部分が非常に多かったからだとも思います。
大事なキーワードだけを紹介していくと、
・今自分がここにいるのは自分が「選択」したから
・自分で考え選択して行動する
・エンプロイアビリティ(雇用されうる力)を伸ばすために自己投資をし続ける事
・プロは成果を出せなければいくら努力しようが評価されない
・自分自身の市場価値を高めることにフォーカスする
等々金言は色々あるが、簡単に言うと、今の自分が置かれている状況は自分が選択した結果なので、それはそれで受け入れて、じゃあ、どの様に価値を仕事で発揮し提供するのかを自分で考え選択し、行動し、成果が出るまでやり続けよう、という事です。
そして何よりも自分自身の経営者は自分自身。
会社に身を委ねたらだめよ、ということです。
その会社で生きられる人間ではなく、社会から認められ評価される仕事をしないとだめよね、という話です。
そしてそこへのアプローチ方法が原則論に沿って色々と紹介されています。
今改めてぱらぱらと見返していたのですが、本書は7つの習慣に則っている。だから納得感が高いのだと思います。
まあ、原則論なので当たり前なのかな、と。
私は20代、完全に会社に飼われている人間でした。
上司がやれと言えば違和感を感じてもそれを実行していました。そしてそれが起因で大失敗に繋がったことも多々あります。
仕事ができない2年生3年生の私には役員さんから指示されたら断る勇気はありませんでしたが、それでも自分の頭で考えてから行動していればもっと違う方法をとっていたし、当時の役員もそれを望んでいたのだと思います。まあ、出来ない子だったんです。
次に転職したアパレル企業では人材育成の重要性をやっちゅーほどたたきこまれ、理解もし、また同時に人材の可能性は無限だと体感することができました。人材育成オタクの今の原点は多分ここにあるのだと思います。
そして起業を目指してコンサル会社に入りましたが、そこでは初めて仕事の価値とはなんなのかを考える機会になりましたし、成果を出さなければそのプロセスは評価されない、ということもよくわかりました。(上司にではなく、お客様から、ということです)
だからこそ成果を出すことにこだわる。という姿勢が見に尽きました。(とはいえ、大きな成果が出せていないのが残念!)
多分このころからどこでも通用する人間になろう、という意識が芽生えたのだと思います。就社から就職への転換ともいえるでしょう。
色々あって人事の世界に戻り、人材開発を戦略的に行うポジションに尽きました。
その時は自分が成果をだすのは当たり前。チームで成果をだすこと。会社にインパクトを与える事だけを考えていましたが、多分それは私の上司が敢えて私を社長と近いところに置き、経営者と対話をしながら仕事をする機会を与えてくれたからだと思います。だからこそいつも経営戦略をどのように人材開発戦略に落とし込むか、ばかり考えていましたし、勿論仕事で成果を出さなければ社長はうんとは言ってくれません。
またチームがだんだんと大きくなり、改めてメンバーを育てながらチームとして成果を出すためにはどうすればいいのかを考え行動することが求められていました。
何が言いたいかというと、企業の中で起業家のような働き方は出来るんです。
起業した今、私がいつも考えているのは仕事で結果を出しお客様に満足してもらうこと。期待値を超えること。そしてその成果をいつでも再現できるような仕掛けにすること。
簡単に言うと、求める結果を出し続ける事、なんです。
でも、それって会社の中でもできるし、それができればおのずと評価も上がっていき、もっと違うチャンスが巡ってきます。
会社の良いところは、そういう機会を与えられる、という事なんです。
これ、起業していたら自分でその機会を創らないといけない。この差ははっきり言って大きいです。本当に。
上述の通り、私は会社員時代めちゃめちゃ大きな成果を出し続けたわけではなりません。
特に20代は本当にポンコツでした。
30代になって人材開発の仕事をし始めてから若干マシになったくらいです。
でも、それでも色々な機会を与えてくれたのは少なくとも周りは「森川ならなんとかするだろう」と思ってくれたから身の丈を超えた仕事を与えてくれたのだと思います。
大事なことは自分で考え選択すること。
目的を常に確認し、共有し、そこに導かれること。
成果がでるまで手を変え品を変えやり続けること。
これだけです。
そして万が一成果が出なくてもそれを次の糧にすればOKなのも会社のいいところだと思います。
色々な働き方があっていいと思うし、勿論転職も企業もいいと思います。
ただ、会社の持つ資源や機会を最大限生かすことで自分の成長にもつながるし、良い仕事にもつながるし、周りも喜んでくれるし、結構いい事多いんです、会社って。
そしてそれこそが自分自身の市場価値を高める結果になっていきます。