【読了】『心理的資本をマネジメントに活かす』
2023.10.25
HR領域は定期的に流行るキーワードがでてきます。
人的資本経営とか、心理的安全性とか1ON1とか。
でもこれらは実は昔から大事だと言われ続けている事であって、言い方を変えただけ。
揶揄しているわけではなく、それくらい大事だから繰り返しフォーカスが当たっている、ということです。
この亭撮るの心理的資本、という概念も特に新しいものではないと思います。
ただし、それを恐ろしく分かりやすく解説されています。
読んでいて特に分かりやすかったのが、「HERO」という心理的資本の4つの要素。
Hope(意思と経路の力)、Efficacy(自信と信頼の力)、Resilience(乗り越える力)、Optimism(柔軟な楽観力。
この4つの要素が満たされるほど人という資源はイキイキと働き、周りにも好影響を与えていく。
何故これが分かりやすかったかというと、人によって、場面によって、どの要素が落ちているのかで上司としては対応が変わってくるから。
私は「自己効力感」が上がっているか落ちているかで部下への対応を変えてきましたが、その自己効力感でさえ、実はこの4つの要素で構成されている。つまり、どれが上がっていてどれが落ちているかで対応は変わるのです。
簡単に言うと、私は大雑把だった、ということ。
確かに大体元気がなくなるケースは、Efficacyが落ちているケースが多いように感じます。
でも、中にはHopeが落ちている。つまり、自分はどこに向かうのか?どこに向かえばいいのか分からなくなっていてさまよってケースもあるし、ストレスコーピングができていない時は、Resilienceが落ちているか、Optimismが落ちているかだったりする。
勿論その確認にはコーチングが必要で、相手との対話の中でクリアにし、また、相手に気づかせることが大切です。
経営の3資源と言われる、人、モノ、カネ。その中で最も伸ばせる可能性があるのは人だとドラッカーは言っています。
ただ、伸びればいいけど、落ちることもある。落ちたら仕事のパフォーマンス、つまり、量も質も落ちてしまう。
管理職の責務は部門の目標達成。そのためには人を元気にすることはマストです。
7つの習慣の中でも、「P/PCバランス」という言葉が出てきます。
PはProduct。つまり、成果。
PCはProduct Capability。つまり、成果を出すための資源。
私たちは仕事をしているとつい成果だけを追い求めてしまいますが、その成果を出すための資源を育てていかないと成果を出し続けることはできません。
美味しい卵を食べたければニワトリに餌を与え、運動する運動場を作って運動させる。だからこそ美味しい卵になる。という事です。
事業で言うと、売上とか利益が「P」なのですが、ここだけ追い求めても駄目よ、という事です。
短期的には数字は上がるかもしれませんが中長期的には失速します。だって、資源が育っていないから。
だから両方を見ないといけない。
そのPCをどう育てるか、が心理的資本をマネジメントに活かす、という事なのです。