『課長と組織を変える研修コーチ』
clear kyotoの森川です。

今日の日経新聞でも「企業に賃金アップの要請」という文字がありました。
そしてかなりの頻度で労働時間の削減や男性の育児休業取得の推進も良く出てきます。
そしてそれに呼応する形で大企業が賃金アップを発表したり、自由な働き方を推進したり、というニュースを目にします。

でもね。

これ大企業だけの話なんです。残念ながら。
所謂中小企業はそこまでの体力がなくて中々対応できていません。
（大企業と中小企業の定義はかなり曖昧なので、ここでは「有名な企業」位の認識で結構です）
そして何より日本の企業における大企業の比率は０．３%。１．２万社。中小企業は９９．７%で４１９．８万社。

勿論働きやすい環境を創ることで社員のロイヤリティも向上するし仕事の品質も向上すると思います。
間違いなく手を付けた方がいい。でも、色々な理由があって手を付けられない。
で、結局掛け声だけかけて何もできていない、という会社が非常に多いです。

先日研修登壇していた企業でこんな話がありました。
自部署の課題を色々意見出しをしていたのですが、その中で出てきたのが、
「残業が多い」と「納期を守れていない時がある」というもの。
そしてこれらに対して残業を減らし納期を守れるようにします！と管理職の方は発言されていました。
私が「その道すじ見えてます？」と尋ねると「いや、実はどうしたらいいのか分からないです・・・。」とのこと。

そりゃあ、そうですよね。
だって残業減らしたら仕事量も減ってしまい結果納期遅れがもっと発生しそうです。
でも、会社からも言われているから何とかしなきゃ、という気持ちはある。でも、やり方が分からない。

これね。
完全に精神論で「頑張れ」しか会社から言われていないんです。もしくは、「それを何とかするのがマネジメントだ」とか、「生産性もっと上げていこう。まだ余地はあるはずだ」とか言われている。
勿論中には何とかしちゃう管理職の人もいると思います。
私も以前の会社で、メンバーの残業を月15時間以内に収めつつ絶対に全員が目標達成し続けるチームを創る！と宣言した時何したかというと、徹底的に仕事量を減らしまくりました。つまり、しなくていい仕事を見極めしないことにする。所謂ムダな仕事を止める、というやり方。
これはこれで効果的でしたが、これができたのはそもそも無駄がかなり多かったということと、たまたま私の立ち位置が他部門への色々モノを言いやすい状況だったので、他部署を巻き込んで仕事を減らすことに成功したからなんです。
いうなれば、やりやすかった、ということ。

でも、製造業とかそんな状況じゃないケースがほとんど。
だってそもそもムダとか減らしているし、納期への要求も恐ろしく厳しいし・・・。

なにが言いたいかというと、会社のトップが掛け声だけじゃなくてそこにコミットする姿勢を見せないといけないんです。
人が足りないなら人を入れるしかないし、採用できないなら採用する方法を徹底的に考えて実行しないといけないし。「採用できないししょうがない・・・。」なんて言っているうちは全くコミットしていません。
その手法が分からないなら専門家の助けをもらえばいい。
人が増えてコスト増になるなら、値上げ要求をお客様にしたらいい。
それで取引終わってしまうなら別の取引先を探せばいい。
人事制度を整えることで社員を守れることもあるでしょう。

勿論各社様々な状況があると思います。ただ、なんか現場に我慢させてなんとか頑張ってしか言ってなくて、本気で社員を守ろうとしていない会社って結構あるよね、と最近よく感じます。そして現場はくたびれています・・・。
本気で一緒に考える。それだけでも勇気が湧いてくると思うんです。

トップが何とかしようと本気で思ってもがいている姿はカッコいいし、それこそが誠実さだと思う今日この頃。

すいません。ただのボヤキみたいになってしまいました。

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■clear kyoto合同会社　代表　森川　宗貴（もりかわ　むねたか）
■ACC（国際コーチング連盟認定コーチ）
■キャリアコンサルタント（国家資格）
■（一社）日本スケジューリング協会　専務理事
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