Know-How ノウハウ

公平。公正な目標設定_324

2023.03.17

『課長と組織を変える研修コーチ』
clear kyotoの森川です。

最近目標設定に関する研修に登壇する機会が多く、その中で出てきた参加者さんからの質問が中々興味深かったので共有します。きっと同じように困っている人も多いと思います。

テーマはずばり、公平な目標設定とは?です。
こんな質問でした。
「私の部下2人の目標設定で困っています。仮にAさん、Bさんとしますが、Aさんは仕事もできるしやる気もあるし、もうそろそろ次のステップ(等級)に行ってもらいたいし本人もその気になっている。なので少し高めの目標設定をしたい。
一方Bさんは正直仕事があまりできなくてミスも多い。やる気もあまり感じられない。
でもこの2人は同期入社なんです。
2人のレベルに合わせた目標設定をするとAさんは高め。Bさんは低めに設定せざるを得ない。でも、それでもしAさんが未達成、Bさんが達成したら、これは不公平になると思うんです。
どうしたらいいでしょうか?」
というご相談でした。

悩ましいですね。
目標設定の前提として、Achievableってのがあります。つまり達成可能な目標設定にする、ということ。
だって、果てしなく高い目標はやる気をなくしてしまうから。
そうすると、確かに上記のようになってしまいます。

でも、それでいいのでしょうか?

組織における目標って何なのかをもう一度考えないといけません。
上位目標と下位目標が連鎖していることが大前提です。言い方を変えると、下位目標が達成されることで上位目標達成に繋がらないといけません。
ここで大切なのが、個々人に求められている「役割」です。
チームで仕事をする上でどんな役割を果たしてほしいのか?
それは勿論人ごとによって違いますが、仮に上記のAさんとBさんが同じ等級なのであれば、同じ役割が求められます。
だって、人事制度における「等級」=「役割」だからです。
等級は単なる給与テーブルではありません。

となると、そもそもAさんとBさんは組織の中では同じ役割=同じ目標であるべきなのです。
でも、Aさんには次のステップへの期待がある。
であれば、Aさんには、組織的な目標は役割からくる目標設定をしつつ、育成面ですこしストレッチした目標設定をして、それを一緒に追う。
仮にそのストレッチ下目標を達成すれば、役割による目標から超えた分を加点評価する、で良いでしょう。

対してBさん。
Bさんも同じく役割からくる目標設定をしないといけません。できるできない関係なく、それがBさんに求められている役割だからです。
でも、それが高すぎるのであれば、その目標を細分化して、小さくした目標をクリアし続けるように支援する。
結果元々の目標に対して未達成であればそれは未達成です。

でも、大事なことはBさんの目標達成の支援を上司が全力で行う事。
これをしないで「未達成だったね」はありません。
だって、管理職の仕事は部門の目標達成だし、部下の目標達成の支援だから。

未達成になると離職につながるのでは、という懸念もなくはない。
でも、役割を果たすことがそもそも仕事なので、もしBさんが本当にその役割を果たそうとしないのであればそもそもその組織に貢献する気がないわけだし、その組織で働く意味はありません。
でも、役割を果たそうという気持ちが少しでもあるのであれば、上司は一緒に支援をし、伴走することが大事です。
そしてその伴走している姿勢が伝われば、離職することはないでしょう。
だって、そんな上司、素敵すぎますもん。

人事制度も目標管理も万能じゃないし色々な矛盾をはらんでいます。
でも、大事なのは「納得感」。
そしてその「納得感」の源泉は管理職の誠実さや真摯さだと思います。

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■clear kyoto合同会社 代表 森川 宗貴(もりかわ むねたか)
■ACC(国際コーチング連盟認定コーチ)
■キャリアコンサルタント(国家資格)
■(一社)日本スケジューリング協会 専務理事
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