【読了】『異邦人』原田マハ
2022.09.25
なんていうか、ずっと霧に包まれながら話が進むけど、最後にびっくりさせられる。そんな話。
銀座の画廊の経営者とその奥さんが主役。奥さんも実家も美術館を経営していて、まあ、セレブな夫婦。
でも、画廊も美術館も不景気で経営不振に陥りつぶれる寸前。
その時、それぞれが様々な打開策を考えるのですが、正直それらがやや倫理観に欠けている。というか、自分達の都合しか考えない打開策。
そしてその浅はかさを見破られ、結果倒産の危機、みたいな話。
この小説の本質はそこではないのですが、なんていうか、不誠実な人は最終ろくな終わり方しないのね、と改めて。
会社の為、社員の為、家の為。とか言うけど、周りの為にならなければ誰も振り向いても助けてもくれない。
そんなん当たり前なのですが、それすら気づけなくなるくらい、つぶれそうな会社の経営者は視野が狭くなるのだな、とも思う。
だから不祥事とか倫理観に反することに手を出してしまう。
経営者の前に人であること。
勉強になりました。