【読了】『血の記憶』
2022.07.01
読んでいて気分が悪くもなるが、最後はほっと一安心、みたいなストーリー。
ざっくりとかあらすじをかいつまむと、超ブラック企業で23年前に殺人事件が起きるのだが、その真実を突き止め公開させようと関係者がグルになって、そのブラック企業の家族を人質に取り誘拐事件を起こす。まあ、その人質の1人と犯人はグルだったりする。
そのブラック企業の社長や腰ぎんちゃくたちは中々の悪い奴で、身の保身と金儲けしか考えていない。
悪いことを企む社長も悪いがそれを止めようともしない周りの腹心も悪い。
「社長に指示されたら仕方ない」と言って労災隠しをしたりしている。
まあ、この社長には誠実さも謙虚さも感謝の気持ちも勿論どこにもなく、とんでもないクズだったりするので、そのまま刑務所に入って反省してください、と思うが、併せて周りの腹心たちのイエスマンっぷりに私はドン引きしてしまう。
社長に命じられたら人まで殺してしまう。
でも、ずっとそんな組織風土で働いていたらそうなってしまうのかも、と考えると恐ろしい。
赤字にしたくないから。不渡りを出したくないから。株価を落としたくないから。
そんな理由で企業の不祥事はなくなることはない。
でも、法人は法律によって人格を与えられている。つまり、人間と一緒。
嘘はついてはいけません。
人を殺めてはいけません。
そんな当たり前の事さえも分からなくなるのがお金の怖さだな、と読みながら感じていました。