【読了】『誰もが人を動かせる』
2021.09.18
剛腕マーケター森岡さんのリーダーシップ論。
でも、理想論ではなくご自身の苦悩や大失敗など実例に基づく話なので、納得感は高い。
というか、本書から受け取る熱量が非常に高いです。熱すぎる。
金言が沢山ありますが、おそらく刺さる場所は人それぞれ。
でも、それ以上に面白いのが、森岡さんのP&G時代の失敗例。
元々人づきあいが得意じゃない。でも、成果に対する欲が強い。仕事も好き。というか、結果のためにはハードワークはいとわないし、結果を出すためならハードワークをするのが当たりませ。トライ安堵エラーを繰り返し、泥臭く成果にたどり着く。負けず嫌い。とにかく負けず嫌い。だから自分もやるし部下にも同じことを「強要」する。
部下も含めチームを勝たせることが森岡さんの中の正義だったので、そこに疑いがない。
でも、気が付いたら誰も周りにいなくなっていた。
という経験をリアルにされています。
そして何より、リーダーの能力以上に成果が出なくなることに気づくのです。
これはまさしく私も同じことをしましたし、気づかされました。
メンバーが育ち、主体的に考え行動していかないとチームとしての総和が拡がらないんです。
そのためには任せることが重要なのですが、それを中々手放せなかったんですね。
でも、そこに気付き何とかしようとする。
でも、コミュニケーションが苦手。上手く伝わらない。どうしよう・・・。
その時、森岡さんの強みである「熱量」を活かすことを考える。
つまり熱量全開で「伝え続ける」こと。
もう、なんて行くか、要領とか関係ないんです。
でも、自分の中の手持ちのカードで全力で勝負する。
その全力に人は惹かれますし、全力で自分を信じようとしてくれるリーダーをメンバーはそりゃあ、信じるわけです。
改めて森岡さんは全能の神ではないなと感じます。
でも、自分の強みをどう活かすか?を考えているし、常に全力。
そして目的と目標にコミットし、そこから一切目が離れない。
だからこそ、大きな成果にもつながっているのだと感じました。
本書の金言は勿論普遍的なものなので、私も共感しますし、研修の中でも伝えている事です。
でも、それよりもこの失敗経験のプロセスが強烈に面白い。
また、本書の最後の方はコロナ禍に関する彼の、客観的な考えが書かれています。
大分憤慨しているんだな、と。
でも、そこも同感です。