〇〇管理って何?_053
2020.10.06
課長と組織が変化する研修講師、clear kyotoの森川です。
コロナ禍ですっかりおなじみになったリモートワーク。
でも、一方で「リモハラ(リモートハラスメント)」という新しいハラスメントを生み出してしまいました。
メディアでも色々騒がれていますが、一応説明すると、リモハラとは、リモート会議や在宅勤務中に起こってしまうハラスメント。
セクハラ要素もパワハラ要素も含まれています。
例えば・・・
・恐ろしいこまめな進捗確認。
・そのタイミングでつながっていなかったら「さぼるな」と罵倒する。
・管理じゃなくて監視している感じ。分単位での報告を求められる。
・私服の部下に対していらん事言う。
・プライベートに土足で入り込む。「奥さんいるんだろ。見せろよ。」的な。
まあ、正直ショーもないことばかりですが、実際怒っている事なので看過できません。
そんな記事を見ながら思ったことは、もしかしてこの管理職の人達は「管理」という事そのものを勘違いしているのではないか?と言うことです。
実は少し前からも気になってました。
色々な会社の管理職研修に登壇していると、管理=現状把握、という理解をしている人が多い。
つまり、今どうなっているの?を事細かに知ろうとする。
うん。
別に間違いではありません。
でも、これだけだと足りません。
管理とは「現状を把握したうえで、良い方向に変化するように働きかけること」です。
だって、そうですよね。チームの目標達成が管理職のミッションです。
であれば、現状を把握するだけじゃなく、良い結果につながるように部下を支援すること。
当たり前と言えば当たり前なんです。
これはマネジメントだけではなく、「〇〇管理」という言葉に関しては全て同じです。
業務管理。時間管理。人員管理。備品管理。施設管理。。。沢山ありますよね。
じゃあ、リモハラはなぜ起こったのか?
マネジメントの前提が変わったことによる環境の変化に対応できていないことだと思います。
以前のようにみんなが会社にいれば、顔見れるし、空気も感じられるから、なんやかんやで適切なかかわり方が出来ていたのでは、と思います。
周りも空気を読んで上司を支えようとする。
そんな中でチームワークのようなものも生まれていたのではないでしょうか?
でも、リモートになったとたん何が変わったか。
目の前に部下がいない!!
顔も見れない。表情も分からない。何も伝わってこない。
つまり、ノンバーバルのコミュニケーションが皆無になったことにより、圧倒的に情報不足になりました。
そして不安になる。皆ちゃんと仕事しているのか?さぼっていないか?
そんな猜疑心でいっぱいになりました。
で、管理、というよりも監視に走ってしまった。性悪説になってしまったんですよね。
でも、リモートワークになるということは、仕事とプライベートの境界線があいまいになる、と言うことです。
となると、仕事中にご飯も作るし、子供の世話もするし、宅配も取るし、洗濯もするでしょう。
つまり、働くと生活するがごちゃ混ぜになる、と言う事なのです。
なのに、会社にいるのと同じ動きを求めるのは正直ナンセンスなんですよね。
むしろ、そんな環境の中部下が成果を出すためにどんな支援ができるのか?をゼロベースで見直さないといけない。
なのに、従来の管理を持ち込んだから、現状把握すらうまくいかなくなり、結果監視に走ってしまったのだと思います。
リモートが当たり前に本当になるのであれば、まず労働時間ではなく成果物で評価するようにしないと破綻します。
監視を続けると関係性が破綻するからです。そして意味がない。
コミュニケーションの取り方もお互い配慮したうえで効果的なコミュニケーションをとらないといけません。
例えば、日次レビューの時間は最初から決めておく。
時間中に家事などで離れることは関与しない。(結果さえ出ていればよい)
でも、いつでも相談の門戸は開いておく。
進捗確認するのであれば、そのタイミングをあらかじめ両者で決めておく。
離れている分、しっかりとお互いに合意形成しないと、ストレスがたまるだけだと思います。
そしてもちろんこれは部下サイドも成果を出すために上司とどう付き合うかを考えないといけません。
そういった意味では、どんな関わり方をしていくのかを一緒に模索するのがいいでしょう。
模索の過程できっと益々仲良くなれますよ!
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森川 宗貴(もりかわ むねたか)
clear kyoto合同会社 代表
(社)日本スケジューリング協会 専務理事
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