【読了】『上司いじめ』
2024.09.01
最近流行の「ハラハラ」。ご存じない方もおられると思うので、簡単にお伝えすると、上司が部下に何かを言うにつけ、「それってパワハラですよ」という部下の事。
適切に指導しても、何かを依頼してもすぐ「パワハラパワハラ」と騒ぎ立てる部下。
に上司がやられてしまい、もう何も言いたくない。もう、何も言えない。となってしまう。
勿論パワハラはダメです。元人事としてもそこは譲れないし、パワハラな言い方しなくても相手には伝わります。
また、それが起こると被害者だけでなく周りの士気も下げることになるし、労働環境の低下にもつながるので、組織として予防することは絶対に必要だと思います。
社員の働く環境を守るためもあるし、その先には業績への影響もあるから、ですね。
ただ、なんでもかんでもハラスメントにするのもおかしいですが、現実問題パワハラやセクハラと言われるのが嫌で、部下と関わりたくない、という管理職の人は少なくありません。
という組織に刺さる本なんだろうな、と思い購入しました。
でもね。
前半はハラスメントの解説。まずはお勉強しよう、ということでしょう。
本書で言われている、ハラハラ対策の大筋は2つ。
1つ目は、ハラスメントですよ、と言われても冷静に対処すること。即座に反応しない。
まず自分の言動を振り返り、まずかった部分はないか?を考える。もし何かまずい言動があれば謝るのが筋でしょう。
でも、それがないならば毅然とした対応をすること。
別に圧を掛ける必要はないし、理路整然と、事実ベースでモノを伝える事。
2つ目は、仕事の指示を聞かない部下は、ただの職務怠慢だ、ということ。
労働者には労働法で様々な権利が保障されているし、そもそも労働者を守ることを趣旨とした法律です。でも、一方で労働契約法、というのもあって、労働者は労働契約によって、労務提供義務・誠実労働義務・職務専念義務、というものがあります。
賃金を得ているのに業務指示に従わないのは服務規律違反となります。
たまーに出てくるのが、仕事の指示をすると「それは私の仕事ではありません」とかいう部下がいますが、そもそもあなたの仕事は明文化されているのですか?という話なんですよね。
海外は違いますよ。ジョブ型の雇用ですので。
でも、日本はメンバーシップ型の雇用となっていて、雇用契約は「この会社にはいって頑張ります」みたいな契約になっています。
つまり、仕事の範囲は状況によっても変わるわけです。
なので、上司の指示に従うのが当たり前なんですよね。(勿論合理性を欠いた指示は別です)
という事を上司側も知ったうえで対応しないといけないよね、と改めて感じました。
ただ、私の感覚ではわけわからない事を言うモンスター社員ってそんなにいないと思っています。
でも、ハラハラが起きているのはやはり上司と部下との関係性に拠るところが大きい。
信頼関係を構築し、部下から「うちの上司はちゃんと指導してくれる人やねん」と思ってもらえるような関わり方をしていく事が肝要です。
上司だってパーフェクトじゃありません。
間違ったことをしてしまう時もあるし、感情的になってしまう事もあるでしょう。
その時は人間として謝ることも必要だと思います。