Know-How ノウハウ

別れ際が肝心?_379

2023.10.27

『課長と組織を変える研修コーチ』
clear kyotoの森川です。

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉を引用して、会社を退職する時はきれいに終わろうね、とよく言われます。
私も何度か転職していますので、毎回それは気を付けていて、期待値以上の引継ぎやマニュアル作成を行いました。
正直ええかっこしいの部分もあると思いますが、やめた後も「森川さんいなくなっちゃったけど、残念だよね。」と言われたい。(そういわれているかは不明!)という欲も正直あるとは思います。

でも、これ、会社側がこの言葉を使うと実際はかなりの拡大解釈が入ってきます。
例えば
有休消化をさせない。
退職を理由に人事評価を下げる。
退職を申し出たら賞与を下げる。
退職金を目減りさせる。
等です。

入社≒結婚。
離職≒離婚。
みたいな考えの会社だったり、退職≒裏切る、とか解釈する会社の場合、上記の傾向は強いと感じています。
そして上記の中にはコンプライアンスに抵触するものもあります。
人事評価を下げるのは、中々中身が見えないので法令違反かどうかの判断はしにくいです。
賞与も然り。退職金も然り、です。
ただ、賞与や退職金の場合、「規定」があってそこに算出の仕方も明記されているケースが殆どなので、基本的にはまずい。
だって、退職しようがなんだろうが、在籍していることは事実だし、業績も客観的な事実なので、規定を濫用しているとみなされます。基本的にはアウト。
そして有休消化させない。これは明らかにコンプラ違反です。
だって、有給は労働者の権利であり、使用者は取得させる義務がある。勿論時季変更権はありますが、退職日が決まっている以上時季変更権も使いようがありません。なので、有給消化させないのは完全にアウトなんです。

とはいえ実際この辺はぬるっと、話し合いの中でいい感じに納めてる会社が殆どですし、私もそれでいいと思っています。
でも、強権的に取らせないとかはまずい。

そしてななによりも、そんな当たり前のコンプライアンスすら守ろうとしない会社は社員から愛想つかされます。
だって、情けないから、です。
「うちの会社、こんなしょーもない会社なんや」と社員が感じてしまったら、心が離れていってしまいます。
そしてこういう対応をしてしまうと、その噂は社内であっという間に広まります。

私個人的には、コンプライアンスを守ることは、所謂「道徳的にどう?」とか「人としてどう?」という判断だと思っています。法令云々ではありません。
だって、法人も「人格」だから、です。

勿論退職のし方等で色々と言いたい事がある場合もあります。
でも、別れ際をきれいにしておくことが結果、在籍している社員を守る事にもつながっていくのです。

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■clear kyoto合同会社 代表 森川 宗貴(もりかわ むねたか)
■ACC(国際コーチング連盟認定コーチ)
■キャリアコンサルタント(国家資格)
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