【読了】『叱らない、ほめない、命じない。あたらしいリーダー論』
2022.02.21
中々刺激的なタイトル。昨年末より岸見先生の本をむさぼるように読んでいます。
というのも心がざわつくことがあり、自身の在り方を一度ニュートラルに戻したい。そんな気持ちが働いたのでしょう。哲学とか禅の本ばかり読んでいました。
で、このタイトル。
命じない、ほめない、しからないでどうメンバーをマネジメントするの?と思うと思います。
一言でいうと「相手をコントロールしようとしない」ということ。
褒めて相手を動かす。叱って動かそうとしない、ということ。
勿論良いことをしているな、と感じれば「それはよいと感じました」と伝えればいい。
不味いことをしていれば、「それはまずいと感じますけど、どうですか?」と伝えればいい。
「それいいね」「それ、あかんやろ」は所謂”You メッセージ”なんです。
これは伝えることで自分の意図するように相手を動かそうとしている。
それは結局その意図が透けて見えてしまい、効果的ではない。つまり、あざとさ、みたいなものが伝わってしまう。
そもそも上司と部下は上下関係ではありません。
あくまで「マネージャー」という役割なだけ。人間的に上と下はありません。
でも、上から相手を下に見て相手を動かそう。これはあざといし、結果的に「尊敬」に繋がらない。
僕は個人的に「動かす」という言葉が好きじゃないです。えらそうな響きを感じてしまう。
でも、その一方でマネージャー時代確かに意図的に褒めたり叱ったりしていました。
相手の行動をコントロールしようとしていたと感じています。
そしてそれは結構最近までその感覚はありました。違和感を感じてはいたのですが、その違和感の正体が分からなかったんですよね。
でも、この3年程コーチングを学び実践していく中で、上からじゃないフィードバックを効果的に使えるようになりました。
研修の参加者に対しても「私は〇〇のように感じましたけど、どうですか?」と問いかけるように感じたことを伝える。「〇〇に見えました。」でもいい。
フィードバックは鏡なんです。
それをプラスもマイナスもなく、そのまま伝える。
これ、本当に効果的なんです。相手の思考を深めることもできるし、こちらも「上から」という感じが一切ないので負担がない。
勿論ややネガティブな内容も同じように伝えています。
多分私の違和感は人間としての上下関係みたいなものを自分が知らぬ間に創ってしまい、それを勝手に違和感感じていたんだと思います。そりゃ、無理が出て仕方ない。
上下を感じなくなると本当に楽になります。
非常に率直に正直にモノを伝えられるようになりました。
岸見先生の伝えたい事は、人に上も下もない。でも、仕事だからメンバーを育成し、より良い仕事を継続的に出来るようにする必要がある。(マネージャーなので)
でも、相手をコントロールするのではなく感じたことを伝え、思ったことを伝え気付かせ行動を促す。
そんな自然な関りが結果的には人間関係を良くして、チームの関係性も良くなり、結果よい仕事に繋がっていく、という事なんだと思います。