【読了】『「組織のネコ」という働き方』
2022.02.01
おもしろい!タイトルがネコなので、ネコをおすすめされている風に捉えられるかもしれないけど、組織開発の視点で考えると、色々なタイプの人が居た方が良いし、強み弱みがあるので、バラバラでいい。
ただ、会社の中での在り方を考える時、どんなスタイルで働くのが一番自分を活かせるのか?を知っておく必要はあると思う。
挿絵の通り、パフォーマンスと自由度でマトリクスを作り、4つのスタイルに分けている。
少し大雑把な言い方をすると、日本の会社は「犬社会」の会社が多いよね、と感じます。
かくいう私が所属した会社も犬社会の会社が殆ど。
そして私は完全にネコだったので何が起こるか。
めっさ浮くんです。でも、私自身は自分が浮いていることを気にしないんですよね。だって、自分の使命感で動いているから他人と違うことについても特に気にもしない。
おもしろいのは周りの反応です。
ネコな私を自由に動かせてくれる会社もあれば、ネコの私にイヌになれと言ってくる会社もありました。
前者の時は自由に動かせてもらったしそれで結果もついてきているので結果オーライ。
でも、後者の場合はもう窮屈で窮屈で、会社に行くのも嫌でした。
だから色々理由つけて外出して会社にいないようにしていたんです。
そしてそれをまた怒られる、みたいな繰り返し。
繰り返しになりますがネコが良くてイヌがあかん、という話ではありません。
ただ、気を付けないといけないのは、上司や会社の命令が正しくない事ってありますよね。
不正会計とかコンプラ違反的なモノ。
会社のためには仕方がない。
これは絶対に通用しません。
私たちが大事にしないといけないのは「道徳」です。
道徳的でない会社に信頼もないし明日もない。
でも、不思議なことに会社にいると会社のためにが優先される。
だから「社命より使命」で判断することは絶対に必要です。
本書の中で一番印象的だった言葉は「自由」という言葉。
ネコって自由でいいよね、と聞くと自由奔放みたいな印象になりますが、実はその意味は全然違う。
自由とは「自分で理由を見つけて動く事」。
つまり、何かをする際にその目的や意義を発見してその達成に向けて動く事なんです。好き勝手するわけじゃない。
そしてそれは指示されたことも一緒です。
指示を受けその目的や意義を考えそれに納得できればその達成に向かって動く。
つまり、目的的だし、主体的なんです。
そしてもう一つ。ネコからトラへの進化は「加減乗除の法則」とのことですが、私のキャリアのステージとかなり被るので、モリカワ的な解釈を。
【加】はとにかくやる。量をこなす。出来ないことを減らす。つまり、なんでも死ぬまでやってみる。
私のキャリアの中では34歳まで。課長になる手前くらいまではこんな感じでした。
【減】は得意でない仕事を手放し強みに集中する。断捨離と専門化。最後のキャリアも人事の課長でしたが、実はもう一人課長がいて、自分がしたくない仕事はその人に振ってました。
【乗】強みが際立つと周りから声がかかるようになります。他の部署の部長さんから色々相談を受けそれを形にしていた時代がこのタイミング。
【除】仕事を因数分解して、共通要素でひとくくりにするイメージ。私の場合は「人材開発」という軸で、人の育成なくして成果なしの旗印のもと複数の案件をパラレルで回していました。これによって社内でも「育成と言えばモリカワ」みたいになれていました。
で、面白いのは、退職して独立後同じステップを踏んでいるんです。
つまり、近道はない、ということ。
でも、言い方を変えるとネコからトラへの変化は別にDNAではなく、後天的なスキル、とも言えます。
犬型の組織で働いていて、なんか違和感を感じている人も多いと思うんです。隠れネコ。みたいな。
いきなりネコになれるわけではありませんが、「社命」と「使命」が重なる部分は絶対にあります。
まずはそこから。
そして自分なりに目的と意義を考えて動くようになると、ネコっぽいイヌになると思います。(イヌっぽいネコでも良い)
本書に紹介されてる、トラリーマンの中に友人がいてびっくりしました。