Know-How ノウハウ

【読了】『人事の組み立て』

2022.01.28

人事部員はマストバイでしょう。

脱日本型雇用とサブタイトルがありますが、中身はそれだけにはとどまらず人事全体の組み立てをシンプルに解説してくれている。これが本当にシンプルで解りやすい。

海老原さんらしく単なる批判とかの内容ではなく、じゃあ、どうするのがいいか?と海老原さんの考える処方箋までついている。

勿論それがすべての会社に当てはまるかどうかは別だけど、いたってシンプルな考え方なので転用しやすいと思います。

 

全体を通して改めて感じたのは、「今までこうだったから」とか本当に関係なく、目的的に人事は動かないといけない。

その目的とは何か?

人的資源の力で経営戦略を支える事。

つまり戦略的に人材開発を進める事が大事。その目的にそって手段を講じる必要がある。

日本型雇用が悪いわけでもないし、欧米型雇用が素晴らしいわけでもない。

人的資源をどう最大化したいのか?

どんな組織風土にしたいのか?

どんな人材に育ってほしいのか?

社員に何を期待するのか?

全ての始まりはこれらをバチクソ考えて、そのために何をするのかを考えないといけない。

でも、本書のいたるところにそのヒントがある。海老原さんの論調は本当にシンプルで分かりやすい。

勿論人にも優しい。

そんな人事を作りたい人は絶対に読んだ方が良い。

少なくとも「女性を活躍させないといけないから」とか、「同一労働同一賃金に対応しないといけないから」とか、「老戸津契約法が変わるから」とか、「●●しないといけない」とか実際に起きている問題を起点にして考えてはいけない。

上述の通り、どんな会社にしたいのか?どんな組織風土にしたいのか?を戦略的に考えそれを実現する人事制度(等級、評価、報酬、教育)にすべきであるし、その結果零れ落ちていく社員がいるかもしれないけど、それは仕方ないと思う。

人事制度はメッセージ。

メッセージの精度を上げ、そのメッセージに共感する社員が集まることが大事だと思う。

万人受けはできないし。

など、色々考えさせられました。