【読了】『たった1人から始めるイノベーション入門』
2022.01.11
イノベーションとかイノベーティブという類の言葉は実は僕は苦手です。
というか、自分の不得意分野だと思っています。
なんていうか、アイディアがガンガン出せるような、着想力のある人、みたいなイメージが拭い去れません。おそらく、そういった人を目の当たりにしたことが合って、思いっきりその人と自分を比較し卑下してしまった経験から来ています。
でも本書では、イノベーションは一人で起こすものではなく、1人1人が色々とモノを考えて集まってイノベーションを起こす、とあります。
つまり、主体的な人かつ、想いが一緒な人が集まることでイノベーションは起こる、ということ。
むしろ「起こす」に近い。
それって実は普通の仕事だよね、と読みながら感じていました。
僕の中の壁がちょっとなくなった感覚。
その感覚の通り本書はイノベーティブな仕事の進め方の話が多く、PDCAも良く出てくる。
でも、全体ととおして感じたのは「考える」「やってみる」の動きが早い。
あと、いきなりとんでもないことを着想しているわけではなく、今の自分の持ってるカードで何ができるかを考えやってみる。
実は物凄い堅実な仕事の進め方がイノベーションを生む原動力になっている。
そして大事なことは「皆で」ということ。一人で起こすわけではない。
本書の中では「起承転結人材」と表現されているが、働き方のスタイルで4つに分類される。
「起」は「妄想設計」0から1を設計する人。
「承」は「構想設計」1をn倍化する構造をデザインする人。
「転」は「昨日設計」n倍化する過程で目標設定し効率化を推進しつつリスクを抑える人。
「結」は「詳細設計」仕組みをオペレーション化する人。
とあって勿論どれも大事。
そして自分が持っていない機能は他人に任せてしまえばいい。だから「皆で」ということ。
特に「起承」と「転結」で対立構造が生まれやすいけど、ここで大事なことは「想いの共有」。
つまり、自分達がどんな世界を創りたいのか?どうなりたいのか?などの想いを共有し、同じ方向性を持つこと。
対立するのではなく、どうやったらいい感じになるのかを考えて一緒に乗り越えていく感じ。
だから「想い」が大事だという事。
本書を読んでいると、イノベーションという言葉が持つハードルは大分と低くなっていく。
冒頭のはしがきで著者が「仕事をしていく中で壁みたいなものに当たることは多いけど、実はその壁は単なる自分の思い込みでしかない。逆に言えばその思い込みを外すだけで新しいものの見方が待っている」みたいなことを書いているが、それはまさしくパラダイムの話。
実際壁なんてものはなく、自分が作り出している思い込みでしかない。
その思い込みを外す手伝いもコーチの役割でもあるし、管理職の役割でもあるのかな、と感じました。