【読了】伸びてる会社がやっている「新卒を即戦力化」する方法
2021.05.06
一見中小企業向けの方法論に見えるが、実際は採用活動をする上で絶対に外せない「軸」を分かりやすく解説している。その上で、中小企業なら、という方法論に入っているので納得感は高い。
私は仕事で人事部の支援をしていますが、採用活動に関して言えば中小企業でも大企業でも大事なことは一緒。
本書では「自動巻き人材」と表現されているが、もっと平たく言うと、「自社で成果をだす行動特性を持っている人材」である。
自動巻き人材はおそらくどこでも結果を出せるけど、さらに「自社」で成果を出す行動特性を見なければ意味がない。
だって、採用活動は事業を継続的に目標達成するために必要な施策だから。
組織の経営課題を解決する、という側面もあるし、持続的な成長のため、という側面もある。
そこを目的にせずに「採用人数」という目標だけを追ってしまうと、何のための採用なのかはわからないし、現場も会社も幸せにならない。
ただ、著者が繰り返し「即戦力が欲しいからこそ新卒」というのは非常に同意できる。
中途採用が即戦力と思われがちではあるが、正直即戦力になったことはあまり多くない。(勿論そのけーすもある)
でも、中途の方が離職リスクは高いし、逆に悪貨になる可能性も高い。
新卒は確かにすぐに戦力にはならないが、育成計画を作りしっかりと育てれば一年後にはそこそこ大きな戦力になる可能性は高い。
ただ、そのためには採用活動から応募者を「育てる」という仕掛けが必要。
都合がいいことに今はインターンシップが当たり前になっているが、これを活用し応募者の段階から育てていけばよい。
折角手塩にかけた応募者に逃げられるリスクもあるが、でも、育成しない理由にはならない。
むしろそうならないようにどうするかを知恵を絞り工夫すべきでもある。
特に中小企業の場合は採用人数も多くないので、マス戦略もある程度はしつつも、ゲリラ戦を仕掛けることで十分勝ち目はある。
そんな方法論も本書には満載。
でも、好感が持てるのは常に育成目線が強いことと、経営目的の達成の為の採用、という軸が一貫しているので、テクニック論に走らず分かりやすい。
採用のお仕事されている方は是非!