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★3つ。

どうやら私はファンタジーがやはり得意ではないようです。ハルキストの皆様、ごめんなさい。

3部作になっている本書ですが、あほなことに2部まで読んで終わったと思ったら続きがありました。

主人公のおかだとおるが急にいなくなった奥さんを取り戻す旅の話。

出てくる人物全員がミステリアス。なんていうか、その存在が本当にあるものなのかも読んでいて怪しい。とおるの精神世界の中でしか存在していない?とか思ってしまう。

夢の中で交わったりお酒を飲み話をしたり、誰かを撲殺したり。

でも、それが夢っぽくなかったりもするし、でも、夢の中で刺された傷は目が覚めたら残っているし。

結局奥さんは帰ってこないのでまあ、バッドエンド。

奥さんが失踪した理由もなんかあやふや?抽象的過ぎてよくわからない。

でも、そのよくわからないのがファンタジーだし、そもそも私たちにわからないことがあることは不思議ではない。

あくまで目に見えているものは脳みそが概念化しているだけだし、目に見えていないものや世界は沢山あってもおかしくない。

いうなれば私たちの精神世界を投影しているのが、目に見えている世界、ともいえる。

主人公のトオルの面白いところは、自分の感じたことに素直に従って生きているところ。

勿論こういう人は私の周りにもいると思う。

ファシリテーションの達人とかは対話のプロセスにフォーカスし、流れを感じ関わっている。(と、今朝読み終わった本に書いてあった)

でも、私には実はそれができない。どちらかというとプロセスよりも対話の「内容」を追ってしまい、感じる、ということが苦手なようです。

でも、ファンタジー苦手とか言いながら一気に読めてしまったのは物語のパワーによるところだと思います。

★3.5

ファンタジー色が強いのであまり得意ではありません。

ただ、主人公の亨がぱっと見かなりイケていない。(失業中で奥さんにおんぶにだっこ)

なのだが、何かの目的に沿って自ら動く力は強く、いやというものに対して嫌とはっきり言える。

嫌悪感を表に率直に出せる辺りはうらやましい限り。

最初は平穏にクミコという奥さんと暮らしている。

ただ、そこに色々な女性が登場し絡んでくる。

霊媒師?占い師?みたいな奇妙な人だったり、その妹は寝ている間に無意識下でHをしてしまう。

「肉体的には交わっていませんが精神的には交わりました」みたいな。で、しっかり射精している。

ほんまかいな、とも思うが、でも、身体は脳や精神に支配されているので、そういうこともあるかも。

そしてたまに電話してくる謎の女。

近所に住む高校生?の女の子。

出てくる女性一人一人のキャラがたっているし、みんな不思議ちゃんなので、こちらが思いもよらぬことをしてくるのが面白い。

そんな亨の奥さんクミコが書置きを残し失踪。

その辺から亨もおかしくなってくる。

上記の通り彼は意外とメンタル強くて、一旦迷走するけどもちゃんと戻ってくる。

というか、精神状態の戻し方を知っているようにも見えるし、模索しながら整えている感じ。

そして一つ一つの問題に対して向き合おうというのはえらいと思う。

ただ、そのプロセスの中でやはり気持ちがひっちゃかめっちゃかになり、その混乱ぶりが、出てくる女性との関係に投影されているようにも見える。

精神世界の描写がやや多く、読んでいてしんどくなる時も私はあった。(多分私が写実的な描写を好むからかも)

でも、この分量を一気に読ませる力は流石でもある。

 

そして、この本、3部作らしい。

まだ2部までしか読んでないのにレビュー書いてしまいました。