はっきり言って感動です。

最強に古風な風土の業界、塗装業。

その会社を婿社長として入社した竹延社長がどのように会社を、業界を変えてきたか、が実体験のまま迫力をもって伝えられています。

本書の中で「9回負けても1回勝てればいい。その1回のために負けるときは前のめりになってぎりぎりまで目をつぶらず、敗因を探す」と言われていますが、本当に失敗の連続。

その失敗は味方によっては外部要因に拠るものもあるように見えるがそれでも彼は「自分の課題」として自分自身を変えることを選択する。

昔務めていた会社で「制約条件はすべて解除の対象」と言われてきましたが、まさしくそれ。

なぜできないのか?

なぜそうなっているのか?

思考停止することなく、できるためにどうするか?

技術的なハードル。慣習のハードル。人のハードル。

様々なハードルを転びながら超えていくのが本当にパワフル。

でも一方で彼を目の前にしたら共感する人と引くひとに分かれるだろうな、とも感じました。

その予想は的中。

彼は職人や業界を変えることには必死だったが自社の事務部門や営業部門に目が行っていなかったので、何年たってもその溝が埋まらない。

いつか分かってくれる。

実は私も本書を読みながらそう思ってました。(その時点で竹延社長に心酔している)

でも、一緒に働く社員は違う。

でも、その問題も彼は正面から受け止め、自分の考え方と行動を変えることで埋めていく。

主体性の塊、と言ってもいいのかもしれない。

最初はこの素晴らしい職人の世界をなくしてはいけない。

もっと職人のすごさを伝えたい。

義父が作った会社のすごさを分かってほしい。

そんな使命感だったと思いますが、いつしかその対象が広がっていき、自分に関わる全てを当事者意識を持って関わっていく。

 

でもね、スマートじゃない。

そこがリアルで迫力がある。

あまりにも気持ち良すぎて一気に読みました。