流石に読むのに時間がかかりました。安岡先生の講演を何本か書き下ろしている本書。

安岡先生の講演の元が古典。孟子や孔子、荀子など。

古典ってすごいな、としみじみ思いました。書かれたのは千年以上昔の話なのに現在でも大事な事ばかり。若い時に触れなかったことを後悔しちゃいます。

本書を通じて一貫していたメッセージは「主体性」。自分で考え選択しよう、ということ。

色々な外部要因や環境の変化などあるが、それらにふりまわされるのではなく、「じゃあ、自分はどうするか?」を考え行動する。

環境変化に対応しない、という話とも違う。自分で選択する、ということ。

時勢に流されるのと対応するのでは、その意味は違う。ちゃんと自分で選択しよう、ということです。

最も印象的かつ、何度もでてきた一文が、

「人間が自分に反る(かえる)ということは、心に反ることだ。心に反って考えると、人は窮することはない。世は治まらないことはない。文明は滅ぶことはない。」

心に反る。

つまり、脳みそで考えるのではなく、心で判断しよう、ということ。

じゃあ、自分はどうするか?を選択するときのよりどころは脳みそではなく心。

損得や勝ち負けではなく善悪。つまり、道徳、がよりどころ。

道徳をよりどころにすれば心は平穏にもなるし、結果周りも平穏になる。

 

7つの習慣でコヴィー博士も同じこと言ってたよな、と改めて。

まあ、時代的には安岡先生の方が先なので、7つの習慣を書かれるときに安岡先生の教えもコヴィー博士は見ていた、ということか。

 

いずれにせよ、原則は時代も国境も超えて普遍。

自分の心に問いかけるには、まずは一時停止して深呼吸。

時間はかかりましたがなんかよい意味でリセットされました。