一気に二冊抜き、と言うわけではなく、2冊で1つの話になっているので、一気に読みました。
テレビドラマにもなっていたのでご存知の方も多い下町ロケット。
今回のテーマは自動運転のトラクター。
この開発と量産化をめぐって佃製作所、帝国重工、重田重工などの会社がしのぎを削る。
ネタ晴らしになるので内容は控えますが、義理と人情を大切にする社長の佃は裏切られたりして結構大変な目に会う。
新しい事業のローンチではベンチャーの方が小回りも効くし、技術的なショートカットもしてきているので、立ち上がりが早かったり。
ただ、そこで問題になるのが性能検査。品質や耐久性などまでショートカットしてしまい、結果リコール寸前まで相手陣営が追い込まれてしまう。
トライアンドエラーを繰り返すことで確かに早く事業は立ち上がるが、それを繰り返せない場面も当然ある。
品質の問題はそのまま信頼の失墜につながるし、何よりも購入してくれたユーザーを裏切ることになる。
そしてこのトラクターという製品の場合はそのまま農家の仕事が止まる。つまり農家が立ち行かなくなることに直結する。
佃は結果裏切られたライバルに自社の技術ライセンスを提供する決断をするのだが、それはそのまま、農家を、農業を元気にして喜んで欲しいというそもそもの理念に基づく。
理念なき金儲けはタダの金儲け。
重い言葉やな、と思います。
全ての会社の事業には目的があり理念がある。
でも、そこを常に認識し体現出来ているのか?
ずっと問い続けないといけないことだと改めて。