これは超おすすめです。
目次の項目だけ見ると、「まあ、最近よく言われてることだよね」とか思わないでもないけど、それを科学的に様々な研究の視点から論理的に語られているので納得感がものすごく大きい。
そして何より、自分自身がオールドタイプの価値観の部分も相当あることも分かる。
また、自分のこれまでの行動や考え方で、自分を卑下してしまっていた部分(つまり、「俺って駄目な奴だな・・・」みたいな)もあったが、意外とそうでもなかったのねと勇気づけられる部分もある。
でも、一番は論理的故に分かりやすいこの語り口が面白いです。
気になることが多いのでキリがないのですが、本書を通じて一貫していわれていることで、私自身もものすごく共感したのが2つ。
①問題を解決することにはもう価値がなくて、問題を見つけることに価値がある。
②役に立つではなく意味がある、を大切にすること。
①については、様々なテクノロジーや問題解決のメソッドの進化により、問題解決は簡単にできる、飽和状態にある。大事なことは、そもそも何が問題なのかを見つけていくこと。そして解決は誰かに任せちゃう。
問題を見つけるのがリーダーの仕事。それを解決するのが部下の仕事と言ってもいいかもしれない。
方向性を見出すにも近い。
でもオールドタイプの人は問題解決能力を自慢したくなっちゃう。「俺、こんなんできんねん」みたいな。でも、それって実は誰でできるし、機械でもできちゃうかもね、ということ。
複雑に入り組んだ問題を解きほぐすのは、問題の分解ともいえるし、新たな問題提起ともいえる。
それはそれで価値はあるんだろうとも思う。
②については役に立つことがダメなのではなくて、その中の意味を語ろう、ということ。
私のようにスモールビジネスをしている人間は特にそう。
勿論お客様の役に立たないといけないけど、それは別に森川じゃなくてもいいかもしれない。
でも、森川にお願いする意味って何なん?と言う話。
それはそもそも私が私の事業の意味を語り共感をしてもらうことが重要ですよね、ということ。
「こんなんできます」と品ぞろえを並べてもだれも共感しませんよね、ということなのです。
私は講師業や人事の支援をしているのですが、そんな人沢山いるのです。
私にしかできないこと、というのも厳密には勿論ない。
でも、私に依頼してくれるお客様は少なくとも「いろいろできる森川」に依頼をしているのではなく、「課長が変わることで組織が変わる」という理念に共感してくれて、依頼をしてくれている。
そういうことなんだと思う。
そういう尖った事業をすることが大事だよね、という意味でもある。
等など。
色々考えながら読んだので折り目だらけです。
しるし書店に出品できそうです。