トヨトミ、とあるが、ベースは明らかにトヨタ自動車。

歴代の社長のラインナップもまさしく今のトヨタさんと一緒。これ、誤解されないかな、と心配になる。

改めて大企業の社長って大変やなと感じる一冊。

もめごとに裏から手を回したり(勿論その専用の社員がいる)、海外でのロビー活動もおろそかにできないし。

何て言いうか、創業時の理想を忘れてしまうくらいやることが多い。

そういった意味では有能な右腕左腕を作っていかないといけない。

1人ではとても回らないよね、という話。

 

ただ、創業家の社長というのはちょっとキャラクターが違う。

ここまで会社がカリスマ的になると、創業家はもう存在時代が神々しい。

ある意味周りが気を配ってくれるので逆に腹心が育ちやすいのかもね、と思ったりする。

 

本書の中では創業家の血を引く役員が中々だらしない。

女に溺れ不倫をし裏社会のお世話になりかけたところを、サラリーマン社長に救われる。

ただ、彼はいずれこの大企業を背負う、という覚悟だけはきちんとあって、社長になっても意外と慌てていない。

そして未曽有の自然災害の時も陣頭指揮を執り、早急な復帰を実現するなど、意思決定の速さで結果を出していく。この辺は創業家だからこそ、ともいえる。

そして大幅な事業の方向性の転換。

本書内ではハイブリッド車から燃料電池自動車に主軸を移す、という決断をし、マスコミや株主からやいのやいの言われる。

でも、そこも腹が座っているのは流石の覚悟ともいえる。

 

実際のトヨタさんは燃料電池車の普及は残念ながら成功しているとはいいがたい。(今時点で)

でも、それがだめならダメで方向転換する。それも大事な事。

 

会社員の頃よく「うちの社長は方針がコロコロ変わってやりにくい」とこぼす役員もいたが、逆に方針を変えないことによるリスクも当然ある。

朝令暮改は当たり前。

変化の大きな今の社会だからこそ、それくらいの覚悟を皆していかないといけないんだと思う。