タイトルから何となく想像ができる通り、スマホを使うことで私たちの脳にどんな影響があるか、という本。

「どうせ脳に悪いからやめときなはれ、という内容なんでしょ?」

という印象を持つかもしれないけど、それは違う。

スマホが脳に与える影響について書いているのではない。

そもそもの脳の動きがスマホにどう反応しているか?について書かれている。

ほぼ脳科学の本、と思ってよい。

 

脳の働きと言うのは、1万年変わっていないらしい。

つまり、人間が狩猟人族の時から、ということ。

当時は人間は40歳まで生きられなかったし10代で死んでいく人も半数位。

病気もあるけど、それ以上に「襲われて死ぬ」。

ライオンなどの獣にも襲われるし、他の集落の人間に襲われて命を落とす。

つまり、常に命の危険を隣り合わせの状態で生きてきた。

だから脳は常に「危険信号」をキャッチし危険を回避するように反応してきた。

また生きるエネルギーであるカロリーを摂ることを重要課題としている。

つまり、生き延びる。嬉しいことを優先する。そういう働きが実は私たちの脳にもインストールされている。

報酬システムが脳の中にいつも作動しているわけだが、特に脳が好きなのが「かもしれない」という気持ち。

「ここに行けば獲物がいるかもしれない」

「ここに敵がいるかもしれない」

という気持ちがドーパミン(報酬欲求のホルモン)を放出し足を勧めさせる。

スマホの場合は

「次のページに何かあるかもしれない」

「自分の投稿のいいね、が増えているかもしれない」

などがそれに当たる。だから止められない。

私たちは1日平均3時間スマホを触っているらしい。その度に報酬物質が放出され、止められない。

ただ、想像通りスマホ時間が長いほど現代人はストレスフルになっている。

人と話をしている時にスマホを触ると話の中身が入ってこない。

仕事中、勉強中、スマホを気にし始めると集中力が落ち、パフォーマンスが落ちる。

等々、様々な実験結果が紹介されている。間違いない事実なのだと思う。

私たちが心身共に健康でいるためには、

・スマホを遠ざける事

・運動すること

の2つ。

寝る前にスマホを見ない。集中する時はスマホを物理的に遠ざける。など。

そして運動はストレスの軽減に役に立つ。

週3回。1回45分ていどのウォーキングで十分とのこと。

 

スマホ含めデジタルデバイスはこれからも私たちのそばにいる。

だからこそ、共存はするが、人間らしさを維持する努力が必要だと感じた。